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院長の思うこと

サプリメント

私は、サプリメントをおすすめすることはありません。

大学時代は獣医薬理学を専攻し、卒業後は製薬会社で人体薬の毒性の研究をしていました。

常に物質の作用機序や副作用について考えていたわけです。

そういった視点から見ますと、サプリメントは本当に有用なのだろうかと考えさせられます。

有用つまり作用があれば必ず反作用(副作用)があるはずなんです。

サプリメントに副作用はあるでしょうか?

そもそもサプリメントは医薬品ではないので、効能効果を示すことは出きませんし、病気の治療効果を期待すること自体が間違いなのです。

一部、海外では医薬品ですが国内ではサプリメント扱いのものもありますので、そういったものは医薬品として考えなくてはなりません。


私が一番疑問に思うのは整形外科系のサプリメントです。

ヒアルロン酸やコラーゲンなどですね。

日本整形外科学会のホームページを見ますと、ヒアルロン酸の関節内投与(注射)に関しては有効性が認められており、保険適用になっているようですが、経口摂取した場合の有効性の科学的データはないとのことです。

これらの巨大分子は胃腸で分解されてしまいますから、直接関節に到達するとは考えられないわけです。


動物用のサプリメントで、不安を和らげたり、認知症に有用と宣伝したものがありますが、実際、抗不安薬や鎮静剤を使用しても、泣き叫んだり徘徊を十分に止められないにも関わらず、サプリメントが有用であるとは到底思えません。


私が勤めていた製薬会社の主力商品に、作用は弱いけれども、副作用も少ないので、安心して医師が処方する医薬品がありました。残念な感じがしますが。


サプリメントも同じような立場にあるのではないでしょうか。

害にはならないし、もしかしたら何か効果があるかもしれないので出しておこうといった感じです。

一番貢献するのは、患者さんではなく病院経営にでしょうね。

ある意味大事なことなんですが。


現在、SNSなどで、どう考えても怪しいと思われる動物用サプリメントや健康維持商品が見られます。

動物に代わって、飼い主様ご自身が使った場合のことを想像してみてください。

それらの商品に安心感はありますか?

こんな作用が本当にあったら医者がいらないと思いませんか?


巧みな広告に騙されないように気を付けてください。

また、疑問を感じられた時は、ぜひ獣医師に相談してくださいね!


サプリメント
たんぽぽ動物病院 サプリメント





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